クラシカロイド2期 1ー5話感想
1話「カバと弟と音羽館」
ナジェ「リアルタイムで見ていた人は待望だっただろう2期1話。今回の感想は細かい点が多いかな。
まず、冒頭でやっぱり第9をバックに餃子焼いてくれたベト、Good Job! 謎の安心感があった。
今まで愉快な居候しかいなかった音羽歌苗にやっと「弟」ができるという展開、私は結構好きだよ。中身があのワーグナーでもね。声優の松岡さんの声が色っぽくて、思わず惚れ惚れしちゃう。クラシカロイドで一番好きな声優さんは鳥海さんだけど、ワー君は2番目かな」
ミーチャ「ただなあ、史実のワーグナーをもとにしている、というわけでもなさそうなのに、ワー君の性格が腹黒過ぎて腹が立ったな。せっかく居候がいるのに、ワー君にばっかりデレデレする歌苗も低評価。そりゃあ両親にほったらかされているときにいきなり弟が現れたら嬉しいけどさ……」
ナジェ「そう、この展開を見て、歌苗の家が借金まみれで親がナチュラルにネグレクトしている、という設定は必要なくて、ただ家はそこそこ裕福だけど、両親が研究や仕事にしか関心がなくて寂しい生活を送っている、っていうのでいいのじゃないかなと思った。そしたらロイドたちがどれだけクズしようが遠慮なく好感を持って笑えるしね。まあそれだとちょっとお涙頂戴のいい話になってしまうから、このぐらいドライでハードなのがちょうどよかったのかもしれないけど。
もう一つの見所、ドボちゃん。動物の中でもカバは嫌いな方だったのに、可愛く思えてくるから不思議。そしてチェコ語のムジーク口上! チェコ語やってる私でも早口すぎて何言ってるか全然わかんないわw」
ミーチャ「ムジークは「出発進行! 伝説へ〜新世界から第四楽章より〜」。やっぱり彼は列車ネタだったかw カラオケ一番の熱唱曲で、疾走感がたまらないロック。さあみんなもシュシュポポしゅぽぽ!」
ナジェ「諸見里を思い出すなw」
2話「マイリトルブラザー」
ナジェ「この回、見てて辛かった。
まずワー君の腹黒さがMAX。ドボちゃんにベトさんを攻撃させるのはまあいいとして、卵が割れたのをベトさんのせいにしてかわいそうぶってほくそ笑むなんて、ギャグ時空でやっちゃいけない行動だよ!
次に、歌苗ちゃんのワー君贔屓がさらに露骨になっている。モツが塀に絵を描いたのとか、めっちゃかわいらしいデザインだから許してやれよ。火炎放射器を応用してのタイル洗浄とかも、みんなが水浸しになったとはいえ、いいアイデアだから認めてあげてよ。そして極め付けはお使いでの露骨すぎるハンデ。もうワー君を勝たせる気マンマンじゃん。
次に、ベトさんのキャラがおかしい。ベトって、自分のこだわりに対してはとことんうるさいタイプだけど、今回みたいに部屋が欲しいとか、小僧に負けたくないとかの外因的な理由で、そこまで大人気なさを発揮するタイプだっけ? ひたすら再戦をこい願う様子に違和感を感じた。
最後に、ムジーク。「無敵のソナタ〜交響曲第7番より〜」。私は幼少期にのだめで嫌という程原曲を聞きました。だからかな、このアレンジが微妙に思える。原曲のメロディをそのまま使っているので、AメロBメロという区別があまりなく、メロディが冗長になっているのが原因かも。歌詞もいまいち。
ムジークの効果としても、カジノの幻覚を出現させるなんてちょっと悪趣味。脅かす対象が子供とあればなおさらね。1期24話でも言ったけど、公式のギャンブルネタに対する敷居の低さは異常。NHKだぞこれ?」
ミーチャ「大事なところほとんど言っちゃったやん。まあこの回に限らず、2期はどうも、ベトが1期9話や22話ほど魅力的に描かれていないのが引っかかるな。ただギョーザーギョーザー言って、美味しいところだけとっていいセリフを吐くキャラに成り下がっているところが。3期ではかっこいいベトを頼みますよ」
3話「一目会ったその日から」
ナジェ「前回がシナリオ的にきつい回なら、今回は内容的にきつい回かな。合コンなんて興味ないもん。
印象に残った部分は全部前半にあるかな。まず、モツの精神年齢は一体何歳なんだよw どうしてかくれんぼや鬼ごっこを女の子たちとやりたがるやつが合コンで王様ゲームを企画するんだよ。命令もチューとか日記晒せとかw それにコビトカバ(オス)と引きこもりがいる合コンなんてないわw」
ミーチャ「ショパンの尻文字、フルネームでやったら面白かったのにね。あとでショパンが王様になって、同じ命令を出してモツを困らせたら面白かったかなと」
ナジェ「実は印象に残ったのはここまでです。あとは海月ちゃんが準主役になれてよかったね、ぐらい。音羽館以外の人とロイドたちの絡み、もっと見て見たかったもん。合コン革命うんちゃらははいはいそうですかって感じ。今回は「フィガロの結婚」ネタが多かったそうだけど、「白鳥の湖」の時みたいに本編で解説してほしかったな」
ミーチャ「まあ、そのためのツイッターなんだけどね。ムジーク「ラブゲーム大作戦〜フィガロの結婚より〜」も微妙だったな。冒頭の有名なメロディーしか原曲のエッセンスが使われていないし、効果も愛の矢の夢と被ってるし」
ナジェ「最初に見たのがこの1、2、3話じゃなくてよかったね」
4話「フィーバー! レッツぷーぎー!」
ナジェ「さあ推しの回だぞ。鳥海さんと諏訪部さん、二人のイケボが対決だ!」
ミーチャ「チョッちゃん回は大抵神回だけど、この話は良回ぐらいの評価にとどめておくかな。
まずシナリオ。「言葉を発せないものの気持ちを自分勝手に解釈していたのは、周りのみんなだけでなく、自分もだった」というショパンの話。NHK夕方のアニメにふさわしいテーマだね。そこでショパンを反省させないあたりがクラシカロイドらしいけど。ドボちゃんの静寂を守るために祈りを捧げるショパンと、ドボ神信仰がどんどんエスカレートしていく民衆とクラシカロイドたちの対比が面白かった。荒らしとかドローンとかのタイムリーなネタが出てきていることもポイント高いね」
ナジェ「あと、作画がめっちゃ頑張っていた! チョッちゃんが過去最高のイケメンに描かれていたよ。
ムジークもいつもながら秀逸だね。「子犬のカーニバル〜子犬のワルツより〜」。あのピアノの登竜門である短いワルツがどうやったらカラオケ界屈指の難曲であるテンポ音程変化しまくりのカーニバルになるんだよ! 色々なボカロの声が聞けて楽しすぎる曲。
効果は人間を犬に変えて操り、動物と意思疎通できるようになるというもの。チョッちゃんにしては珍しく有用なムジークじゃないか。これを使ってハッシー(いらないか?)とドボちゃんと度々会話してほしかったな」
ミーチャ「以上のように、いいと思える点が多かったんだけど、二点だけ気になる所があった。
一つは、新興宗教をネタにしている所。「限りなくアウトに近いアウト」だよ、これ。取り憑かれたようにプーギー言う民衆たちがもう笑えないよ。怖いよ。
あともう一つ。「地獄の学園祭」で治ったはずの奏助の便乗グセが再発している。ドボ神さまブームにあやかって動画の再生回数をあげるなんて、浅薄も甚だしい。それに、再生回数なんて刹那的なものを追い求めるのはやめようよ。それより、来年の文化祭に向けていい曲作ってみんなを泣かせりゃいいじゃん。ちょっと今回の奏助には殺意湧いた」
ナジェ「なんか2期って、アグレッシブな回が多いな、良くも悪くも……」
5話「偉大なる男」
ナジェ「この回、ツイッターやブログでは酷評している人が多かったけど、私は割と好きだったよ。
まず、レゲエシューさんがひたすら可愛い。髪をおろした男の人って大好きなんだよね。
次に、世界を巻き込んでいるのがいい。「音楽で平和が作れる、それって理想論でしょうか?」という予告での言葉通り、レゲエのムジーク「Life is Beautiful〜ザ・グレートより〜」で紛争地帯やスラム街をおちゃらけ能天気の色に染めていくシューさん。1期23話の再来みたいで大好きな展開だわ。せっかくみんな危険な能力持ってるんだもん、いいぞ、もっとやれ!
ムジークも、歌詞も歌もポジティブで素敵。落ち込んだときに聞くと元気が出そうだね。人生は気持ち次第でハピー!
最後に、ギャグパートはなかなか面白い。特に冒頭の、番組間違えたかと思うような唐突な昔話とかのシーンね」
ミーチャ「逆に、気になった点。これは他のブログとかと同じかな。
まず、後半で歌苗がハッピーになる流れを作りたいからと言って、音羽ロイドたちをあんなにクズに描写しなくてもいいと思う。特にチョっちゃん、この回だけみた視聴者にはただのゲーム中毒のクズにしか映らないぞ。リッちゃんも、歌苗に荷物を片付けさせるような愛のないキャラではなかったはず。愛愛言って浮世離れしていて家事はあまりしないけど、最低限のことはきちんとやるキャラだったろ。服を脱ぎ散らかすような下品なキャラでもなかったはず。
もう一点。ベートーヴェンの「お前の旋律で語れ」は完全に余計。確かにシューさんは承認欲求を暴走させて、もう少しで世界滅亡に追い込むところだったけど、別に何かのパクリをしようとしてレゲエを取り入れたわけではない。彼が悪いのだったら、ムジークでロックを、さらにのちに和風の旋律を取り入れるベトさんも同罪だよ。
そこは、ギャグ風にやるなら「調子に乗るなー!」って言って空手チョップするぐらいで済ませればいい。シリアスにやるなら、「皆を不幸から一時的に目をそらさせたからと言って、世界が平和になるわけではない。いい音楽とは、もっと人の心の奥に響き、心の底をじんわりと癒すものなのだ!」ぐらいにしておけば? なにせ、ワー君に乗せられたからと言って、シューさん自体をディスるのはどう考えても間違っている」
ナジェ「シューさんがクラシカルな衣装に戻ってしまったのも悲しかったな。後の回で、ザ・グレートを多用してくれたのはありがたいと思ったけどね」