おいでよクラシカロイドの沼

クラシカロイド 感想。私(ナジェージダ)、ミーチャ(相手方)の座談会形式で行います。よろしくお願いします。

クラシカロイド ムジーク感想 ムジコレ2編

Fool Love Rhapsody〜ハンガリー狂詩曲より〜

作詞 - 麻倉真琴 / 作曲 - フランツ・リスト / 編曲 - 浅倉大介 / 歌 - 米倉千尋

 

・「原曲との類似性」:5

 原曲前半の重厚なメロディと、後半の軽快な旋律のいいとこ取り。主に伴奏にそれらのメロディが使われるが、Bメロがちょっと原曲に似ている。全体としても、本家の躍動感や生命感を存分に生かしている良アレンジ。

 

・「ポップスとしての聴きやすさ」:3

 間奏の長さ、ABサビABサビと言う構成、愛と自然を歌った歌詞が、少しJPOPとはずれている。だがそれがいいまさに、蝶と花とツタを彩るBGMとしてのムジーク。

 

・「歌唱の難易度」:4

 全体的に音程が高い。「はかない影追いかけて」など、音程がピョンピョンと激しく上下するところもあり、正確に歌うのはなかなか難しい。しかし、サビに向かってどんどんテンションが上がって行くようなメロディは、音程のことを忘れさせてくれる。

 

 

六弦の怪物〜クロイツェルより〜

作詞 - 森雪之丞 / 作曲 - ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン / 編曲 - 布袋寅泰 / 歌 - 浦井健治

 

・「原曲との類似性」:5

 原曲中盤の激しいヴァイオリンの音色を、伴奏のギターにも歌にもそのまま仕入れている。そのため、このムジークを聞いたのちに原曲を聞くと鳥肌が立つ。

 

・「ポップスとしての聞きやすさ」:5

 ロックとして一ミリも違和感なし。最初聞いた時メロディの本家はこちらなのではないかと思ったほど。歌詞も「絶望のジェイル抜け出して 俺は蘇った」など、最高にロックっぽくってかっこいい。

 

・「歌唱の難易度」:4

 一オクターブ上で歌った。前半は簡単。Bメロの「絶望のジェイル抜け出して」はなかなか音が取りづらい。全体的に激しいので、サビに届くまでに失神しないよう注意。サビも「無敵の魔力が宿るまで」「光は今この胸」ともに出だしから最高音がくるのでめっちゃ素っ頓狂な声を出しそうになる。練習あるのみ!

 

 

夜半の月〜幻想即興曲より〜

作詞・編曲 - EHAMIC / 作曲 - フレデリック・ショパン/歌-ギャラ子

 

・「原曲との類似性」:Max

 ボカロ曲見たいだろ……、これ、原曲の主旋律そのまんまなんだぜ。中盤の大人しくなる部分でも、印象的な左手のメロディがギターで再現されていて鳥肌。

 

・「ポップスとしての聞きやすさ」:Max

  違和感仕事しろ! 最初からボカロ曲として生まれ出でたような雰囲気を持つ最高にクールなボーカロイド音楽。早口から中毒性まで機械音楽そっくり。

 

・「歌唱の難易度」:Max

 僕は歌唱のパガニーニになる! 第2弾。

 とにかく冒頭から、音程が激しく遷移する中での早口。速さは「初音ミクの消失」に及ばないが、音程が揺れるのでもはや無理ゲーである。途中からまともに歌える部分が入るのも、リズムが乱れて地味にきつい。「彼女の声彼女の歌彼女の世界彼女の自己彼女の意味」の畳み掛ける部分も難しい。「存在と体温を解き放つ」のところでは音程が階段状に素早く下がる。もう無理。

 これが、前編と後編の2回分あるんだぜ? 全部完璧に歌える人は、「主題と変奏」をノーミスで弾ける人と同じぐらいしかいないだろう。

参考画像:

 

 

恋はジョリジョリ〜華麗なる大円舞曲より〜

作詞・編曲 - EHAMIC / 作曲 - フレデリック・ショパン/歌-VY1

・「原曲との類似性」:5

 原曲の前半7割ぐらいのメロディが、4拍子に直して使われていて感動を覚える。冒頭の弱拍3連符から始まるところは、もはや原曲より好み。

 

・「ポップスとしての聞きやすさ」:5

 違和感仕事しろ! 3拍子を4拍子に変えて、明るいメロディを少し付け足せば、中毒性までそっくりな古き良きボカロ曲の出来上がりだぜ。現実世界でニコニコ動画に乗せても伝説入りしそうな神曲

 

・「歌唱の難易度」:5

 僕は歌唱のパガニーニになる! 第3弾。
 

 まず冒頭の「君が白馬の王子じゃなくてもアラブの富豪じゃなくてもそのまま受け止めたいのよ健気な純情」は、音程のジェットコースター。「アラブの」は私の声ではマイクが認識してくれない。そうかと思えば「受け止めたいのよ」はハイすぎて死ぬ。

 3拍子と4拍子を自在に行き来するリズム。4拍子の部分もワルツの名残があって歌を合わせにくい。

 中盤の「あちらにこちらに拡散希望よ」「wktkちゃんちゃんktkrぎゃんかわ」は何気に早口。「押してね私のハート」を遅れずに歌えるか。

 中盤のサビ続きの部分は息継ぎする暇がない。

 とまあ、このように4拍子揃った難曲なのである。音楽祭でアイドルたちがどのように歌うか、今から楽しみだ。

参考画像:

 

 

How to Win!〜トッカータとフーガより〜

作詞 - つんく / 作曲 - ヨハン・セバスティアン・バッハ / 編曲 - つんく♂クラシカロイド楽団 with 鈴木俊介 / 歌 - 楠木勇有行

 

・「原曲との類似性」:3

 「チラリーン鼻から牛乳」の主題による変奏曲。しかしこの悪名高い主題からこんなにかっこいいポップスを生み出してしまったつんく様の力量を褒めるべきだ。

 

・「ポップスとしての聞きやすさ」:5

 違和感仕事しろ。いかん、「チラリーン鼻から牛乳」がものすごいかっこいいメロディに聞こえてきた。そんな一昔前のポップス風。歌詞が「ここは大事だ」とか「ちょっとしたコツだけはつかめ」とか色々叱咤激励してくれてるんですが。肝心の「何を頑張ればいいか」が一言も書かれていないところがJPOPらしい。

 

・「歌唱の難易度」:3

 一オクターブ上で歌った。音程を取るのは簡単だが、かっこいい声を出すのと、サビで「HEY」の合いの手を入れる(採点では入ります)のが非常に難しい。あと一人カラオケで歌うと自分は誰を励ましているんだろうという気分になる。

 

 

嗚呼 えんどれすどりいむ〜乙女の祈りより〜

作詞 - つんく / 作曲 - テクラ・バダジェフスカ / 編曲 - つんく♂クラシカロイド楽団 with 溝口雅大 / 歌 - 小湊美和

 

・「原曲との類似性」:2

 新幹線の到着音にも使われる、あの有名なメロディを裏メロにして、表メロは演歌。高温の電子音で奏でられる原曲のメロディが小気味良い。

 

・「ポップスとしての聞きやすさ」:4

 演歌というより演歌風ポップス。なのでJPOPしか聞かない耳にも馴染む。歌詞が「嗚呼 夏は暑い」「嗚呼 冬は寒い」とか超適当なところがいかにもJPOPらしい。

 

・「歌唱の難易度」:2

 ど演歌ではないので、こぶしを入れなくても綺麗に響く。Bメロの「あーあんあん」と「泣いて 歌って 泣いて」の部分を上ずらずに歌うようにだけ気をつけよう。

 

 

 

みかんゾンビマーチ〜トルコ行進曲より〜

作詞・編曲 - tofubeats / 作曲 - ヴォルフガング・アマデウスモーツァルト / 歌 - 天月-あまつき-

 

・「原曲との類似性」:3

 原曲の有名な部分(長調のも短調のも)が伴奏に使われているが、メロディーは全くオリジナル。スリラーになっているなんて!

 

・「ポップスとしての聴きやすさ」:2

 可愛いスリラー風。しかし、歌詞のインパクトがすごすぎてメロディが入ってこない。もはやみかん布教ソング。「掃除道具お風呂に浮かべて乾燥すれば漢方薬」「トルコでも栽培してる けれどハママツ名物」が聴くものの腹筋を崩壊させる。

 

・「歌唱の難易度」:1

 実はこれ、音程はめっちゃ取りやすい。筆者も1オクターブ上で歌うと必ず90点が出る。Bメロ「こたつの上に置いてある」の8音連続同じ音階がちょっときついぐらいか。カラオケで点数勝負を申し込まれたら恥を忍んで歌おう!

 

 

魔力のアリア〜G線上のアリアより〜

作詞 - つんく / 作曲 - ヨハン・セバスティアン・バッハ / 編曲 - つんく♂クラシカロイド楽団 with 大久保薫 / 歌 - 大橋ヒカル / ラップ - U.M.E.D.Y.[5]

「原曲との類似性」:3

 原曲の有名な旋律(CMなどにもよくある)を伴奏に使用している。何かのクライマックスのような原曲の雰囲気がムジークにもそのまま現れている。

 

・「ポップスとしての聴きやすさ」:4

 しっとりしていていい感じ。古き良き歌謡曲のよう。

 

・「歌唱の難易度」:2

 「心に浮かぶメロディー」の「ィー」がハイトーンであること以外は歌いやすい。一個だけ注意点。採点機能はOFFにすること。歌の中に、メロディがなくゆっくりとしたラップのように語る部分が多いが、採点ではそこが単一の超ロングトーンとして扱われる。

 

 

Koe

作詞 - リディ・ハドソン、加藤哉子 / 作曲 - リディ・ハドソン / 編曲 - 山本英武 / 歌 - リディ・ハドソン

・「歌唱の難易度」:1

 なんとこの曲、カラオケにも入っている。ストリートミュージシャンの曲らしく、伸びやかで音程に無理のない曲。歌詞も、夜道を駆けているような爽やかさの詰まった勇気の湧くもの。ぜひサウンドトラックを買って、歌って見てほしい。「僕フツウ」がないのが少し悲しいところだが……。