クラシカロイド 3期10話「20の舌を持つ男」あらすじ
クラシカロイド 3期10話「20の舌を持つ男」あらすじ
歌苗の通う高校は、ハママツ市の姉妹都市キャマス市(アメリカワシントン州にある実在の都市)のハイスクールと交流を行なっている。年に1回の交流会の時にやってくる5人のアメリカ人を、誰かがホームステイさせることになっている。今年やってきたうちの一人、制服を着崩したロン毛茶髪の男、メンデルスゾーンに心惹かれる歌苗。
「でも、うちには部屋も、もうひとりを食べさせるお金もないしなあ……」
そう戸惑う歌苗に、メンデルスゾーンはドル札の束を見せる。(この時点では黙っている。無口キャラを演じている)
「それ、もはやホームステイじゃなくね?」
奏助のツッコミを尻目に、快くメンデルスゾーンを受け入れることにした大家さんだった。ベトモツシューを屋根裏部屋に押しのけ、部屋を片付けて彼のステイを準備。その夜、屋根裏部屋は、ベトが歯軋りするわモツが屁を連発するわシューがそれをたしなめるわで大混乱に。騒ぎが階下のリッちゃんチョっちゃんにも伝わり、皆が眠れぬ夜を過ごすのだった。
そして翌日の昼、やってきたメンデルスゾーンは口を開く。
「Bonjour、Guten tag! とってもbeautifulでкрасный(クラースヌィ:美しい)なお嬢ちゃんだね! I am メンデルスゾーンさ! Dziękuję bardzo(ジェンケン バルヅォ:ありがとう)! シェシェ!」
唖然とする音羽ロイド達(この時シューはいない。寝られなかったせいで、ベトモツが起き上がった後に本格的に二度寝をしている)。パッド君の通訳でやっと理解する。
理由を問いただしてみると、なんとメンデルスゾーンは、英語フランス語ドイツ語スペイン語イタリア語ロシア語ポーランド語チェコ語セルビア語ウクライナ語中国語韓国語スワヒリ語ヒンディー語アラビア語トルコ語モンゴル語グルジア語ポルトガル語日本語を操る超マルチリンガルだったのだ!
パッド君の解説が入る。メンデルスゾーンは言語能力に長け、英語ドイツ語フランス語ラテン語ギリシャ語を自在に操っていたと。それにしてもやりすぎではないか。英独仏日本語以外の16言語はどこから降ってきたんだ。ギリシャ語ラテン語はどこいったんだ。
そんなツッコミもできないぐらい、多言語を入り混じらせてまくし立てるメンデルスゾーン。パッド君が頑張って口から字幕を吐いて視聴者を支えていたが、あまりの負荷に爆発する。その後は、前世の記憶を中途半端に思い出したリストさんが、フランス語ドイツ語日本語の部分だけ聞き取ってなんとか解読し、愛の口づけとともに字幕を発することに。
異変はもう一つあった。ショパンが怯えている。それも今までの怯え方とは段違い。彼の脳内イメージの中ではメンデルスゾーンの背中から後光が差している。パッド君の代わりにリストが解説。「チョっちゃんはウィーンでメンデルスゾーンに会えそうだった時に、恐れ多くて会うのをやめたのよ」
メンデルスゾーンの早口はさらに加速し、リッちゃんも「あぁっ」と声をあげて失神してしまう。
続いて挑戦するのはモツ。なんと5ヶ国語を解する隠れマルチリンガルだったモツ。しかもフィーリングで相手を理解できる能力も持っている。おならとともに字幕を発する。しかし、メンデルスゾーンの早口が加速すると目を回してぶっ倒れてしまう。
そう、これこそがメンデルスゾーンの作戦だったのだ。(3期シリアス回で描写する予定)彼は、ヘンデル率いる地下組織のクラシカロイドの一員。バッハ一味に代わって宇宙人に音楽を届ける真の八音になるため戦いにきたのだ。まず自分の早口でひるませ、さらにムジークを発して、彼らを圧倒する!
「Let's spielen moje красную muzykę!(私の美しい音楽を鳴らそう!)」
そして放たれる「結婚行進曲」のムジーク。相手に結婚式の幻覚を見せ、恍惚感に浸らせる効果がある。みんな幸せと疲労のあまり、「もう何がどうなってもいいわ〜!」となり、メンデルスゾーンにひれ伏すようになる。
「さあ、これで真の8音は私だ!」
勝ち誇ったように笑うメンデルスゾーン。しかし、笑いを止める。向こうの部屋からヨタヨタと近寄ってきた男の姿に、思わず目を見開き、顔に笑みを染み渡らせる。そして飛びかかった。
「シューベルト先輩〜! お慕いしてました〜!」
「いやあああああ、なんだお前は!」
「メンデルスゾーンです! あなたを尊敬しているメンデルスゾーンですよ!」
「なんだなんだぁ!」
途端にムジークが解け、我に返り、シューの頬にキスを連発するメンデルスゾーンを、みんなが冷めた目で見ているのだった。
それ以降、ホームステイ中の2週間、音羽館は、ベトを追っかけるシューと、シューを追っかけるメンデルスゾーンのせいで、大混乱に陥ったのだった。メンデルの多言語ミックスが治ったのがまだしも救いだったが、四六時中日本語で「先輩〜!」の声を聞かされるのはたまったものじゃない。
歌苗「もう、ホームステイは、こりごりよ〜!」