おいでよクラシカロイドの沼

クラシカロイド 感想。私(ナジェージダ)、ミーチャ(相手方)の座談会形式で行います。よろしくお願いします。

クラシカロイド 2期6−10話感想

6話「ハハはカニ カバはサイ」

ナジェ「見ているときは不思議と不快感を感じないんだけど、マジレスすると怒りがふつふつと湧いてくるこの回」

 

ミーチャ「まず、ワーグナーをぎゃふんと言わせるために、協力して罠を仕掛ける音羽ロイドたちがほのぼのしてよかった。そしてそれを意識せずあっさりとすり抜ける日芽歌さんも面白い。しかし、日芽歌さんの人格がわかってくるとなあ」

 

ナジェ「年頃の娘をネグレクトする、ギャンブルで借金が返せるという「限りなくアウトに近いアウト」な発想をブッこんでくる(ギャンブルは金を失う遊びです! やるなら自己責任!)、しかし借金を返さないどころか蜂蜜探しに使ったり詐欺師にあげたりする、誤解を招く置き手紙を書く圧倒的な日本語力のなさ。本当、こんな女が子供産んだらダメだわ。ここで、音羽館に住んではちゃめちゃワールドに入り込んでくれる、と言うのならまだ納得できるけど(ムカつくけどボケ役が多くなって話が面白くなるしね)、それすらせずにホテル住まい。ダメだ。このクズニートどもと暮らすという意味ですらも運命共同体にならない母親の薄情さよ」

 

ミーチャ「帰ってきて早々、借金を返すでも食費をあげるでもなく、いきなり豪華な中華料理店に連れて行くのも、金銭感覚がちょっとなあ」

 

ナジェ「音羽響吾さんは、まだ許せたのよ。一応「最高の楽器を作る」という理想を追いかけていて、そのために金をたくさん消費しているってだけだから。でも日芽歌さんには理想もない。響吾さんのこと、そんなに愛してそうでもないしね。だったらはちみつなんて探してないで夫を追えよ、って話だし」

 

ミーチャ「何より一番ムカつくのは、リッちゃんと仲良くなっちゃったことなんだよな。違う違う、確かにリッちゃんも浮世離れしているし(母や勤め人としてではなく)女として生きる女だけど、日芽歌みたいに自分勝手じゃないよって。2期から見た人、これでリッちゃんのことビッチだと思わないかな」

 

ナジェ「まあ、とにかく、ひどい回だった。ワー君が何やったのか全く覚えてないぐらいだわ。えっと、カバをサイに変えて突撃したんだっけ? まあいいや」

 

 

7話「歌苗、お婿さん募集中」

ナジェ「絶対やるだろうと思った、歌苗と音羽ロイドのカップリング回。まあ常識的に考えたらシューさん(か奏助)の二択なんだけどね。

 ただ、これも嫌だったのは、ロイドたちが自主的に婿さんになろうとするのではなく、日芽歌に焚きつけられて無理やりやったこと。歌苗には失礼だけど、いいのよ、別に動機が家賃免除やインターネット回線やムジークマンでも。もともと自分勝手なのがロイドたち(と奏助)の特質だから。でもね、自分の娘が、そういったものを手に入れる手段として扱われるという状況に自ら持って行く母親って、一体どうなのよ!? 普通は娘のことをちゃんと見て愛してやってくださいとか言う立場でしょ! リッちゃんも、こんなのに乗るなんて愛がなさすぎよ!

 ロイドたちの欠点を無理やり直そうとするのも間違っていると思ったね。クズ人間がクズだからこそこの番組は面白いんだから。それにやり方が不適切。人間嫌いのチョっちゃんにフリーハグを強制したら逆に人間不信が加速するわ! どうすんだよ、もし「人間なんていなくなれ!」とか言って「夜半の月」をネットで全世界に配信したらw」

 

ミーチャ「そしてまた借金作って家を改造する。絶対必要ないでしょこの改造。パッド君もノリノリだし、本当人心掌握力だけは無駄に高いな」

 

ナジェ「もういっそね、回りくどいことやらずに、リッちゃんの「愛の矢の夢」でキューピッドの矢を乱発して、たまたま当たった二人を結婚させてしまえばいいじゃないか! 今回のEDにも出てたし!

 とにかくツッコミどころが多いこの回でした」

 

 

8話「ウソつきはモツの始まり」

ナジェ「リアルタイムで観て、なかなかいいな、と思った回。そう、こう言う史実とギャグが混ざったシリアス回を私は待っていたんだよ! ジョリー回然りギター回然り!」

 

ミーチャ「まず冒頭の「クラシカロイドは嘘をつくとカバになる」発言、みかんゾンビの件もあるから一笑に伏せないんだよな。ベトがカバになるというみんなの嘘になぜ気づかないw ドボちゃんが消えてるだろドボちゃんがw」

 

ナジェ「後半は、モーツアルトが幼い頃のマリーアントワネットにプロポーズしたと言う史実に基づいている。引越しで遠く離れてしまうことはわかっているのに、モツさんのお嫁さんになりたい(つまりモツが大好きってことだよね)マリちゃんをムジークで元気付けるモツ、マジでいいやつだわ。ハマゴン回然り、奏助に唯一きっちり忠告した学園祭回然り、「いざという時には律儀なモツ」が見られてよかった。「アイネクライネ・夜のムジーク」で出現した結婚式場で、ぎょうな君デザインの新郎姿でマリちゃんの手を引くモツにはすごいウケたけどな」

 

ミーチャ「今回は、2期で一番おとなしい回だったかな。いやあNHKらしいって思ったよ。まさかこんなギャグアニメだったとは夢にもw」

 

 

9話「◯のない世界」

ナジェ「さあ推しの回だぞ。今回、不満は少しあるけど、とてもいい話だったと思う。

 まず、本題の「究極の形を目指して作った音楽は、時に似てしまうこともある」という話に共感。そうだよね。創作の歴史は、小説では数千年、音楽でも何百年。特に音楽なんか、芸術的に価値のある音の組み合わせは限られているんだから、どこかの誰かが似たようなことを考えているっていう可能性は十分にあるわけで。「たとえ似ていたとしても、いい音楽は、永遠に人々の心を癒し続ける」というベトさんの答えは模範解答。私だって、もう生まれて百何十年経つ「幻想即興曲」に恋をしてしまったもの。「月光」と似ていようが、そんなこと関係ない。唯一無二の素晴らしい曲だよ。音楽をしっかりと語ったという意味で、今回はとても音楽アニメらしい回だった。まあ、最後にモツさんとショパンが全てをぶち壊してくれたけどw」

 

ミーチャ「今回出たW ムジークも、どちらも最高だった。

 「雨だれと憂いごと」は、もともと静かなピアノ曲に環境音をたくさん足して、雨の日の昼下がりに聞きたいようなメロディに仕立て上げられている。原曲のメロディもものすごく歌向きなんだよね。効果としても、ただ雨を降らせるだけでなく、長時間雨を浴びた人の視覚を歪め、全てのものを四角に見せる、という発想が非凡でよかった。

 ある意味前曲の魅力を全て持っていってしまったかのような「Song for the moon~月光より〜」も美しくていい。真面目な洋楽かと思ったら、中盤謎の日本語と琴の音色が出てくるところがなんともねw 効果はもう少しひねれなかったのかな。ベトさんのうさ耳は可愛かったけど、結局「無敵のソナタ」と同じくただの幻覚系じゃん?

 何気に今回はシューさんが活躍していたね。前世でもモーツアルトのパクリだと言われていたシューさんが、決然とした調子で音楽を語っているのが良かったよ。「幻想」という地雷ワードを連発しなかったら、自分の音楽を褒めてもらえてショパンも嬉しかったんじゃないかな。最後にショパンの部屋まで食事を届けにいって、「ネットの情報に踊らされるのはダメですよ」と言っているのも優しいなあと思った。今回、リッちゃんもすっぴん(?)姿を初めて全国に垂れ流したし、モツは最後にショパンのトラウマをえぐったし、キャラ全員を生かすのがうまかったなあ、脚本家さん」

 

ナジェ「ただ、気になる点が一つ。それは「作品を貶めるような情報やデマだけはネタにしないでほしいということ。「幻想即興曲」と「月光」が似ているという噂を聞いたら、子供にとってショパンはパクリ音楽家になってしまうかもしれない。ショパンはピアノを習う子供だったら必ず触れるようないい曲が多いのに、イメージをダウンさせてしまっては勿体無い。それに、最後のショパンの煽り「ベートーヴェンよりショパンが年上」というのも、子供だったら信じてしまいかねない。現に私は信じかけた(バカ)。だから、最後のシューさんのセリフは、「嘘つくなー!」とかで良かったのでは?」

 

ミーチャ「視力検査を受けるベトや、雨に濡れたイケメンベト、探偵に変装するベトなど、小ネタもとても面白かったので、何回でも観たい回ではあるけどね」

 

10話「リストvsリスト! 運命の鐘」

ナジェ「史実回キター! この回、私にとっては1期2期通して5指に入る神回です。

 理由は4つ。

 1つ目はここでも「史実ネタ」。しかも今回、ネタが「ベートーヴェン失聴」とか「ジョルジュサンドとの恋」などの「点」のエピソードではなく、「ピアノ界のスーパースターに→カロリーヌとの悲恋→パガニーニとの出会い→音楽家としての決意」という「線」のエピソードになっているのが良い。まあ、リストは12歳の頃からすでにちやほやされすぎてうんざりしていたから、本編のような史実のまとめ方はちょっと乱暴なんだけどね。でも、過去と現在が絡み合う感じが好きでした。

 2つ目、「ロイドが楽器弾いてる!」。しかもりっちゃんが十八番のピアノを! これがテンション上がらずにいられるかよ! 体の形がだいぶ変わっているから、前世のような超絶技巧は無理かもしれないけど、リストさんの演奏が聴けて光栄です。

 3つ目、「原曲紹介」。二人のリストが、リスト作曲『愛の夢』と『ラ・カンパネラ』を弾きます。しかも中の人はクラシカロイド音楽祭でも演奏される太田糸音さん! こういうのやって欲しかったのよ。正直、クラシカロイドはムジークシーンでアレンジ版を流して、EDではTVsizeにした原曲を流すべきだと思う。もしくは、2期のHPのように、原曲をちらっと流すコーナーを作るとか。こういう配慮は他になかったので(あとは1期14話で英雄ポロネーズを鼻歌で歌ってたチョっちゃんぐらい?)嬉しいですね。

 4つ目、「ムジークの素晴らしさ「愛の鐘〜ラ・カンパネラより〜」。原曲の高音ピコピコを電子音に置き換えて、さらにリズムを変えて明るくしているのが素晴らしいです。歌詞も煩悩を冷ます鋭い愛のこもったもの。原曲と聞き比べして、何度も感心しています。「恋はジョリジョリ」と並んで完成度の高いムジークの一つだね」

 

ミーチャ「惜しむらくは、脚本にツッコミどころが多いこと。モツのいうとおり、「フランツリストの生まれ変わりだ!」と豪語しているわけでもないのに、リストの名前を使っただけで葵さんに怒るリストさん、大人気ないよ。彼女の言いがかりにのっかかる葵さんも不自然だし。

 あと、対決がワーグナーに利用される、という話をとるなら、義理の父を貶めようとするワー君の心理をうまく描いて欲しかったな。現世では無名のピアニストであるリッちゃんに勝つのを条件に、葵さんをアイドルデヴューさせるアルケー社も変だし。

 そして、「打倒イケメン!」をネット上で叫んで、リストのファンを募ろうとするショパンさん、ダメだよ。純粋な音楽の勝負にしないと。リストさんもピアノの練習より体力トレーニングの方をやっているし、ピアノ壊す気満々だろう!

 きわめつけは、自分の前世と葵さんの人生を勝手に重ね合わせ、公衆の面前で彼を坊主にしてしまったリストさん。自分勝手にもほどがあるよ。葵さんの収入がなくなったら面倒見切れるのか? いきなり「見た目大事だろ!」とみんなの見ている前で言い出す葵さんも不自然だし」

 

ナジェ「まあ確かに、リストの成長物語の形を取りつつ、葵さんを踏み台にしているようで、ちょっと残念。最後の結論が「愛=金」のところもね。2期50話通して愛愛言ってきたお前の愛ってそんな浅いもんだったのかよ! と。絶対に3期ではフォロー入れて欲しいね。「ため息」のムジークでリストさんが日本風の女神になるお話とかして」