おいでよクラシカロイドの沼

クラシカロイド 感想。私(ナジェージダ)、ミーチャ(相手方)の座談会形式で行います。よろしくお願いします。

クラシカロイド2期 16−20話感想

16話「未知との再会」

ナジェ「1期最終話で出てきた宇宙人がベトに取り付いてカムバック! しかし、なぜここで出した? ここで出てくるぐらいなら、2期最終回で出てもう一騒動起こしてくれればよかったのに」

 

ミーチャ「ただでさえ話がミクロになってしまうからね。たった一人の少年の承認欲求って話で。それこそ、ワー君に宇宙人が取り付いて覚醒するとかでもよかったのに。宇宙人の言い分は「この美しい地球の音楽を野蛮な地球人ではなく僕らだけのものにする」って」

 

ナジェ「姿は可愛いのに言ってること怖いなw

 この話で楽しめたのは、ベトが第九を聴き、赤ちゃん返りしてからは鍵盤ハーモニカ(1期15話の再来!)でそのメロディを奏でる場面。前世では聞くことのできなかった自分の曲を聴いて弾けるようになるっていう展開が熱い! やっぱり史実ネタっていいよね! あと、ベトのムジークを使って、警察に追いかけられながら夜道を走るベトとシュー、その時の背景が素晴らしく美しかった。ETネタも入ってたんだよね」

 

ミーチャ「ただ、その他は……。

 まず、ショパンが人生をゲームにたとえて「セーブはこまめにね」というのがちょっと引っかかった。お前、そんなに命を粗末に考えるようなキャラだったか? ジョリー(生物ではないけど)の死を経験して涙していたのに……。

 先輩育成計画も、ちょっと寒かった。クラシカロイドって1話完結だから、そんなに気長に人を教育する時間はないの、わかってしまうんだよなあ。だからあんなに長々シューさんとモツの喧嘩をやられても、「はいはい、どうせ先輩はすぐ元に戻りますよ」って思えてしまう。

 宇宙人がやってくるシーンでも、シューさんの発想が電波すぎて。「ベートーヴェン先輩は文明の発展した他の星からやってきて、地球に素晴らしい音楽を届けてきてくれたんですね」とか、ベートーヴェンがバッハやヘンデルが築いた音楽の土台の上にいることをガン無視してるじゃないかw さすがロマン派w」

 

ナジェ「最後の、シューさんがサイボーグになるシーンも、面白くなかった。まずラップやレゲエに比べると、ビジュアル的に地味。まだノーマルシューさんの方が古風でインパクトある。それに、改造されてもいうことは前と変わらない。周りの人もいつものシューさんと思ってしらけているだけだし、これ、やる必要あったの? って思った」

 

ミーチャ「これこそ真の不条理落ちだね。みかんゾンビ回みたいにループものという定型にも落とし込まない、真のナンセンス。そう思うと評価したくなってきたw」

 

 

17話「荒野のウエスタンロイド」

ナジェ「13話に続いて今回も別世界オチをやるとは、攻めてるねえ。ベトの「いまは西部劇の設定だ! ギョーザーとか言うな!」も地味に第四の壁破ってるし」

 

ミーチャ「この回、結構好きだな。理由は3つ。

 1つ目、「クラシックの総復習」。この話では、銃の撃ち合いの代わりに、イントロドンならぬクラシカドンによって勝敗を決める。お互いが自分のムジークのイントロを流し、どの曲か当てるもの。ちなみにタイトルは原曲。やっぱりリピーターでもないと、ムジークは1回聞いたらすぐ忘れてしまうから、こうやって復習できる機会があるのはいいな。欲を言えば、流すのは原曲の有名なフレーズにして欲しかったけど。

 2つ目、「キャラクターのバランス」。今回、ともすれば草葉の陰に隠れがちなキャラがとても生き生きしていた! 自身の一発を使ってムジーク大富豪のモツを倒し、「一発屋」の汚名を返上するバダ。「幻想即興曲」コンプレックスを逆手にとって利用して見事ベトを倒し、ラスボスとして君臨したイケメンチョっちゃん。ムジークの数=弾の数ということで、なんとなく非レギュラーキャラを貶めているような設定を使いながら、普段は地味なキャラにも愛の光を当てているところがすごく好感度高かったよ。

 3つ目、「デザイン」。西部に生きる人としてのクラシカロイド たちの衣装、そしてタクトをモチーフにした銃のデザインがいちいち素敵だった! 設定資料集欲しくなるぐらい」

 

ナジェ「ムジークは「Mephisto Sheriff〜メフィスト・ワルツより〜。周囲の世界を丸ごと西部劇に作り変えるなんて、ある意味最強のムジークだね。原曲は天地を揺るがす(物理)ほど激しく低音部を連打する難曲。「愛の夢」と同じく原曲がやや迷子だけど、原曲冒頭のメロディを綺麗に使ったいかにも西部劇のオープニングらしいムジークになっている。かっこいいけど、カラオケで歌うとかなり音程を取るのが難しい」

 

ミーチャ「またこういう異世界オチが増えてほしいな。擬似学園モノとか、SFモノとか、スポ根ものとか。3期待ってるぜ!」

 

 

18話「さよなら、姉さん」

ナジェ「ワーグナーが評論家でもあったという史実を、まさか夢小説を書くという形で調理するとはw 唐突なモツさんの「俺の尻をなめろ」発言とか、リッちゃんの「義理の息子」発言とか、この回の脚本家は史実ネタへの愛がなさすぎよ!」

 

ミーチャ「ワー君の闇堕ち前夜祭。こういう、登場人物が一回ドン底に陥る回になると、途端に周囲の人物の言動が不自然に冷たくなるんだよな。ゲームに夢中になるのはチョっちゃんの特権だろ、ベトモツリッちゃん! それに未成年に泥パックは早いわ、チャイコとバダ!」

 

ナジェ「この回、飛ばして見ていたから、ワーグナーの承認欲求がここまで酷いものだとは思わなかった。計3回ある小説のどれも、音羽博士に抱きしめられる場面で終わっているから、それだけ彼にとって父親の存在は大事ってことだよね。恐らくは金で人気を買ってまで、世界に自分の名を知らしめようとするのが切ないよ。三弦さんの心中、想像するにあまりある」

 

ミーチャ「多分この場面から、最終回に家族愛を推す、という流れが出来上がったんだろうけど、間違いだったと言わざるを得ないね。小説では音羽ロイド達が泣いて許しをこう場面も出ているし、とりあえず彼らがワーグナーを一人前のクラシカロイドと認めてあげたら、問題の半分は解決するんじゃないかな。まあ、彼らが自主的にそうするとは思えないけど」

 

ナジェ「鳥籠に閉じ込められ、大人しくワーグナーのコンサートを聞くことになるロイド達。ワー君のムジー「革命賛歌〜ニュルンベルクのマイスタージンガーより〜」が暴走して、会場が大混乱に。このムジーク、歌詞の中二病感がさらに増しているのがしんどいけど、メロディとかリズムとかは前曲より好みだよ。カラオケで歌うと自分が偉大になったような気分で楽しいね」

 

ミーチャ「その暴走を止めようと、8人のロイド達がそれぞれのムジークを繰り出す。おいおい、これってさいしゅうかいだったのかよw バダのムジークで騎士が燃えたり、チャイコのムジークでハシビロコウが召喚されたりと、色々その場に応じた追加効果が発生しているのが面白かった。あとショパン、「人に認めさせるだけがムジークじゃない!」って、パクリ疑惑をムジークで隠蔽しようとしていたお前がいうな! それと、会場の人を犬に変身させただろ! 被害者は出すなよ」

 

ナジェ「なんだかんだでクライマックスっぽい演出が続いて面白かった回でした」

 

 

19話「シューベルトの憂鬱」

ナジェ「タイトル詐欺でないようできっちりタイトル詐欺。確かに憂鬱になるのはシューさんだけど、ムジーク出すのはモツさんじゃないか! 役割的にもシューさんはモツの引き立て役だったし」

 

ミーチャ「ギャグアニメとしては、これは、土台がグラグラで上の方に行くほど綺麗になる危ういビルのような感じなんだよな。シューがお使い頼まれる理由も、お使いにモツを連れていかなければならなくなった理由も、そこから冒頭のしりとりシーンに繋がった理由も、女性更衣室に忍び込む理由も、空を飛ぶムジークが出るまでの流れも全て理解できる。特にオレンジジュースがかかってエレベーターが壊れる、という流れは秀逸。しりとりで難しい言葉(倫理など)を使うのに、モツさんに負けてしまうシューの描写も秀逸。

 でもなあ、金物屋に行く理由が不自然すぎて違和感。通販の荷物をあけるためのハサミにこだわるなんてのは、ショパンというよりベトの所業だろ! それにチョっちゃんの荷物、今まで全部段ボールだったろ! なんだよ通販愛って!」

 

ナジェ「今回は私の大好きな史実ネタの話だけど、如何せん雑だなあ。シューがベトを尊敬していること、モツが大嫌いなこと、それら全てが前世からの因縁であることは、1期から分かり切ったことじゃない。それを史実として見せられても今更感があるなあ。あと、せっかくシューさんが、「先輩に一番すかれるのはお前でもいい、でも先輩を一番尊敬しているのはこの私だ」って自分の決意を言っているのに、モツはそれに対して何も答えない。モツは、誰の思いにも答えない人だよね。自分から積極的にショパンをdisったりはするくせに。この辺が、シューさんがモツの引き立て役から脱せない原因だと思う。話せば話すほど、モツと言う名のブラックホールに飲まれて行く」

 

ミーチャ「ムジークは楽しかったな。「HAVE A NICE DAY! 〜オーボエ協奏曲より〜」。落ち込んでいるときに聞きたいムジーク第一位だね。ピコピコ音が気持ちよくて、空に浮き上がる気分。鳥に変身して飛び上がると言う効果もいいね。ます回や子犬のワルツ回みたいに、全員の変身した姿も見たかったな」

 

ナジェ「3期はシューさんが活躍することを心から祈るわ」

 

 

20話「ドボちゃんの憂鬱」

ナジェ「クラシカロイドの3大報われないキャラはシューさん、ワー君、そしてドボちゃんだと確信した回。人間になろうと頑張っただけなのに、みんなをちびキャラにした「責任」を取れってワー君から言われるのがなんともw」

 

ミーチャ「ちびキャラのデザインはアメコミっぽくて好きになれなかったけど、本人たちはあの姿を気に入っていて、アイドルとして活躍してもいるのにね。あの姿で金を巡って争い出したのは吹いたけどw お前ら、家賃払わないくせにそんなところだけ金に必死になってんじゃねーよってw」

 

ナジェ「後半、肖像画姿、しかも「妄想代理人」最終回のような二次元ペラペラボタン型関節姿になったドボちゃんがあまりにも不憫だった。そりゃあアニメ世界の人からすれば肖像画そのままの顔はものすごく濃いけど、だからって不審者扱いまでしなくていいじゃん! 誰だ警察呼んだの!」

 

ミーチャ「限りなくアウトに近いアウトだね。現実の人間の容姿をバカにするのも良くないし、そもそも素直に笑えない。

 せっかくドボちゃんメイン回なのに、ムジークが留置所内のドボちゃんの妄想内で流れるだけ、しかも14話の使い回しというのも悲しいね。スラブ舞曲とか、ラ・カンパネラみたいな魔法的なメロディだからムジーク化してやればよかったのに。まあ、3期に期待だね」

 

ナジェ「結局この回、みんなの肖像画姿だけが唯一のクラシックお勉強要素だったわけだ。そんなん音楽室に行けば嫌という程見れるわ。リストさんがあの顔で女声なのが唯一面白かった。他はひたすら顔と声があってない。大学の授業を思い出したよ。二次元のキャラは顔と声の二要素からなると言う話w」

 

ミーチャ「3期ではドボちゃんがもっと活躍しますように」